クリスマスの日のディナーには、趣向を凝らして、少し今までと違った感じの新鮮なイメージで楽しく過ごしたい気もします。このことから、世界のクリスマスのご馳走を研究してみても楽しくなります。今まで見たことのない料理などを作ってみてもとても楽しいです。家に滞在する時間も長くなっていることから、新鮮な楽しさがあるとクリスマスも一層明るい雰囲気が作れます。ここでは、デンマークのクリスマス料理の定番であるフレスケスタイ(豚肉のカリカリ焼き)や、グロッグ(ホットワイン)をご紹介します。
【目次】
- 家族の温かくて人倫的なムードの中でクリスマスを過ごす
- 自然とともに生きながら、共生社会を目指す
- デンマークスタイルの伝統的な魅力
- グロッグ(ホットワイン)が体を温めてくれる
- 市販されている人気のホットワイン
- とてもおいしいフレスケスタイ
- 北欧の世界における社会貢献活動にも注目したい
家族の温かくて人倫的なムードの中でクリスマスを過ごす
デンマークでは、人口の75%以上がキリスト教信者です。ですので、クリスマスも国全体レベルでのイベントのように盛り上がります。しかし、元来よりキリストの生誕を祝う日なので、人倫的で家族的な集まりのなかで厳粛な気持ちをもって行われています。これが本当のクリスマスの在り方にも思います。
デンマークにおいて、社会人は、12月24日から新年にかけて冬休みをとります。そして、職場から、実家へと帰郷して、24日には、実家に集まって来た家族とクリスマスディナーを人倫的な温かいムードのなかで楽しみます。これが、デンマーク大使館サイトによるとデンマークで大切にされている言葉「ヒュッゲ(Hygge)」の象徴的なシーンとなります。「ヒュッゲ(Hygge)」とは、「居心地の良いヒューマニスティックな雰囲気」を意味します。
自然とともに生きながら、共生社会を目指す
デンマークでは、冬に日照時間が7時間となって、夕方4時には日が暮れてしまう日もあります。そのような厳しい自然環境のなかでも、自然を大切にしながら、自然とともに生きていく強い生き方を大切にしています。SDGsでも、2021年の世界ランキングで第三位であるほど環境に対する配慮も高い国です。さらには、世界幸福度ランキングでも、2021年第二位となっています。それだけでなくて、社会貢献活動においてもとても盛んです。
クリスマスの本来の意義に感じながら、家族で和気あいあいとヒューマニスティックに過ごすというデンマークスタイルのクリスマスは、とても大人な雰囲気の正しいあり方のように思います。
デンマークスタイルの伝統的な魅力
このようなデンマークスタイルをイメージしていると、フレスケスタイやグロッグの味わいは、とても深くて、さらにとてもおいしく堪能できます。北欧の冬において、体を温めるのにもとても効果的なグロッグは、伝統的に親しまれてきた飲み物でもありながら、機能的にもとても優れています。
グロッグ(ホットワイン)が体を温めてくれる
甘くておいしいソースがかかっているローストチキンや、クリスマスケーキが日本において定番的ですが、デンマークでは、おいしいグレービーソースがかかっているフレスケスタイ(豚肉のカリカリ焼き)をメインにして、キャラメルポテトと紫キャベツの蒸し煮(リュドコール)をお皿に添えたものが定番です。とてもおいしい料理なので、デンマークスタイルの素敵なディナーメニューであるフレスケスタイやグロッグをおすすめします。
まずは、意外と手軽に作れるグロッグからご紹介します。
グロッグの作り方
赤ワインとポートワイン、ブランデー(半分の分量)、シナモン、カルダモン、グローブ、オレンジピール、レーズン、アーモンドを鍋に入れて、蓋をして過熱します。(鍋は、アルミニウム製や銅製のものは、あまり望ましくないようです。アーモンドは、半分以下まで砕きます。)
フライパンにブランデー(半分の分量)と砂糖を入れて、黄金色系のシロップを作ります。気泡が大きくなってきたら出来上がりです。出来上がったシロップは、鍋に注ぎ込みます。
鍋は、さらに1時間程度煮込みます。出来上がったら、スパイスだけ取り除いて、あとはお好みで具材を残しておきます。お好みでブランデーを追加しても良いです。
材料
- 赤ワイン 350ml
- ポートワイン 300ml
- ブランデー 150ml
- シナモンスティック 5cm
- カルダモン 5グラム
- グローブ 4グラム
- オレンジピール 40グラム
- レーズン 100グラム
- アーモンド 40グラム
(ポートワイン・ブランデーは、赤ワインで代用する方法も国内で使用されています。)
市販されている人気のホットワイン
市販されているグロッグもあります。ドイツなどでは、グリューワインという名称で親しまれています。
シュテルンターラー グリューワイン ニュルンベルク
シュテルンターラーは、ドイツでとても有名なブランドです。
グートロイトハウス
こちらのグリューワインは、オレンジや、ライム、ブルーベリーなどのお好みのフルーツを入れて、女性に大人気なサングリア風にすることもできます。グリューワインが苦手な時には、こちらのサングリア風にアレンジする方法も一つです。ソーダで割れば、スプリッツアー風になります。アレンジする時にもおすすめです。輸入元の白鶴酒造が、PRしている楽しみ方なので、日本人向けのアレンジ方法と言えます。
カトレンブルガー
果実の味わいをよく試してみたい方には、こちらのグリューワインがオススメです。クリスマスの女子会などでは、楽しく試しながらお好きなものを味わうこともできます。ブルーベリー、チェリー、アップルシナモンの3種類です。ドクターディムース社は、フルーツワインの世界において、EC最大のメーカーです。
通販では、買うことができませんが、IKEAにスウェーデン製のグロッグ・ヴィンテルサーガが販売されています。
とてもおいしいフレスケスタイ
フレスケスタイは、豚の皮まで付いている豚肉を使うことで、出来上がると表面のカリカリとしたおいしい触感が楽しめます。しかし、国内において、皮つきの豚肉は、飲食店用にしか販売されていないことから、手に入れることが難しいです。製法的にも、皮がないことで元来の製法と少し変わってきてしまうところがあります。この点をうまく注意して作ることも大切です。
フレスケスタイのつくり方
豚肉は、ロース(背中部分)を使用します。肩ロースや、豚バラなどを使用することもあるようです。元来は骨付きのものを使用するようです。
まずはじめに豚肉の皮の面に横方向で0.5~1CMきざみに切れめを入れますが、肉にまで切れめを入れると出来上がり時に肉がパサパサになってしまうので、肉部分の手前にまでに切れめをいれます。国内で作る場合にでも、豚肉についている表面の脂身のところにだけ切れめを入れることが大切です。
次に皮の表面に当たる部位として表面の脂身のところに塩と黒コショウを振りかけて、よく揉みこみます。
切れめにローリエの葉とグローブを挟み込みます。ローリエの葉とグローブは、切れめに対して、2つ~3つおきに挟み込みます。ローリエの葉とグローブは交互にはさみこみます。
オーブンで1時間から1時間15分ほどの間を200度で焼きます。この時に食材の内部の温度が調節できるオーブンの場合には、肉部分の中央の温度を57℃に維持して焼くと、とてもおいしく焼きあがります。焼きあがった後には、オーブンから出して、アルミホールを豚肉にかけて余熱で仕上げをします。
豚肉の出汁と赤ワイン・バター・小麦粉・ブイヨンなどを混ぜて作ります。豚肉を焼く前に豚肉の下に半分に切った玉ねぎを敷いておくことで、豚肉の出汁の風味をよくする方法もあります。加熱後にオーブンから取り出した玉ねぎは、刻んでから、ソースに入れます。
【材料(8人分)】
- 豚ロース(塊肉) 1KG
- ローリエ 6~8枚
- グローブ 8~10本
- 塩 大さじ1
- 黒コショウ お好み
添盛のキャラメルポテト
砂糖を入れて、フライパンで茶色くなるまで弱火で炒めます。次にバターを入れてしっかりとソースを作ります。蒸かしたジャガイモをフライパンに入れて約20分間よく絡めるように弱火で炒めます。これで出来上がりです。
【材料(8人分)】
- 蒸かしたジャガイモ 500グラム
- 砂糖 75グラム
- バター 42グラム
- 塩 少々
添盛の紫キャベツの蒸し煮(リュドコール)
鍋にバターを入れて弱火で溶かしたら、千切りにした紫キャベツを鍋に入れます。バターが紫キャベツによく絡まったら、グローブ4本を差し込んだ玉ねぎ1個(小さめ)、ローリエの葉3枚、砂糖、カレンツゼリー(いちごや、クランベリーのジャムなどでもよいです)、シナモンスティック、塩、コショウを入れてよく絡めます。その後にアヒルの脂(ラード)を入れて、鍋が焦げないように水を適宜に少々加えてから、弱火で45分~1時間の間を煮込みます
【材料(8人分)】
- 紫キャベツのスライス 500グラム
- 玉ねぎ 1個
- グローブ 4個
- ローリエ 3枚
- バター 25グラム
- 砂糖 100グラム
- シナモンスティック(小さめ) 1本
- カレンツゼリー 100グラム
- アヒルの脂(ラード) 小さじ2~3
- 塩、コショウ 少々
あ あ
北欧の世界における社会貢献活動にも注目したい
最近流行しているミニマリズムは、北欧の伝統文化にもあります。余剰なものをたくさん置いておかないように必要なものだけをよく選んで取り入れる精神も大切です。自然の恩恵に感謝しながらも、自然とともに生きることで、自然との共存を大切にする精神も大切です。日本国内の整備された都市空間では、デンマークとの気候の違いもあり、なかなか感じにくくも思いますが、もっと自然を大切にするように自然との共存を感じなくてはいけないのかもしれません。デンマーク国内には、健康、清潔な環境、そして完全な教育を受ける権利がすべての人の権利となります。このような幸せな世界を世界に広げていきたいというような世界観が、デンマークの社会貢献活動を支える精神なのかもしれません。共生社会への正しい道のりは、このような精神にもあると思います。フレスケスタイのおいしさにひたりながら、グロッグを飲んで、ゆったりとした時間のなかで、共生社会をイメージしてみたいと思います。
ホットワインは、いくつもの材料を購入することなども大変です。このような理由から、パック式の材料でホットワインをつくることが人気となっています。詳細は下記の記事にあります。 philosophia-society.hatenablog.com