PHILOSOPHIA_SOCIETY 〔はてなブログ〕

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新卒・第二新卒の女子就活で役立つ!「脱炭素経営による企業競争力」をご紹介

ここでは、新卒・第二新卒における女子の就活で役立つ「脱炭素経営による企業競争力」について、推奨本と文章で解説していきます。現代の新卒・第二新卒として就活する人たちの学生時代では、現在の40代から50代以降における学生時代と大きく異なります。

ESD(Education for Sustainable Development)などからSDGsについて、学校で学んでいる今の世代の就活生には、環境問題意識が高くもあり、社会貢献にもプラスの関心があるという統計データが出ています。今の世代の就活生は、SDGsの17項目についても、学校で教わった記憶がある人もいるはずです。女子就活生にとっては、企業選びも一つの重要なテーマです。女子就活生が努力して内定した企業で働いてから、企業の文化や職務内容と自分のイメージがミスマッチであることもあります。

それから、女子就活生が就職した企業においても、脱炭素経営などの企業の環境問題への取り組みが少ない場合には、事業が低迷してしまうこともありえます。これからの時代においては、製造するものやサービスにおいて、環境負荷がないように義務・規制が強化されていく時代です。カーボンニュートラルに向けて工場やオフィスでは、低炭素化を進めることに対して社会からの要請が高まりつつあります。女子就活生は、世界的な地球温暖化対策などに対する動きからの国内企業の企業競争力としての優位性となる脱炭素経営にしっかりと取り組む企業のほうが就職先としても優良になるはずです。

もくじ

ここで少しだけ用語解説です。

脱炭素経営 

脱炭素経営とは、気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のことをいいます。※環境省のHPより

つまり、脱炭素経営とは、CO2も含んでいる地球温暖化ガスに関する排出量の削減において、自社商品の原材料の仕入れから、商品の製造プロセス、購入者による商品の廃棄処分までのプロセスについて、地球温暖化ガスの排出量を実質的にゼロにすることが実現するように取り組むことを意味しています。

カーボンニュートラル

人間社会における温室効果ガスの排出量に関して、全体としてゼロにするというものです。つまり、植林や、森林の管理などによる温室効果ガスの削減量と人間社会における温室効果ガスの排出量を差し引いたものです。

温室効果ガスには、二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(亜酸化窒素、N₂O)、フロン類等などがあります。しかし、CO2排出量が大きくなってしまっている企業が多いことから、一般的に企業において主要な問題となっているのは、CO2排出量削減です。このような理由からも、CO2排出量削減が情報サイトなどでよく取り上げられているわけです。

ビジネス界での脱炭素化への取り組みに対して、時代の要請は、高まっている

しかし、学校での授業以上に現状のビジネス界では、世界におけるカーボンニュートラルや脱炭素経営などへの動きで、シビアな状況ができています。地球温暖化問題を克服した脱炭素企業にならない時には、多くの場合において、世界や日本における行政・企業などからビジネス取引で相手にされなくなっていく可能性が高いです。となれば、女子就活生にとって脱炭素経営に積極的に取り組む企業のほうが将来的に安全なことになります。

女子就活生にとって、これが企業研究として重要な事柄にもなります。このことについて分かりやすく、損得で並べてみると、脱炭素経営に取り組んでいない企業に就職する時の損は、以下の通りとなります。

脱炭素経営に対して、率直なところで、言えることは?

簡単にいえば、「脱炭素経営に取り組んでいない企業は、ビジネスでの取引の相手として扱ってくれなくなる領域が増えてきてしまうということになる可能性がある」

簡単にいえば、「脱炭素経営に取り組んでいない企業は、今後において炭素税という税金を余計に支払う義務が出てきてしまう。」

そして、「脱炭素経営に取り組んでいる企業には、炭素税が課税されないレベルまである。こればかりか、日常において銀行での資金融資などでも優遇措置をしてくれるケースなどが増えている。」

さらに「脱炭素経営に取り組んでいる企業は、経営におけるランニングコストを低くすることができる」

ということで、「脱炭素経営に取り組んでいる企業には、いいことがたくさんある。脱炭素経営に取り組んでいない企業には、企業が元気を弱めてしまう理由がいくつもある」ということが出てくるわけです。

このようなことについて「脱炭素経営に取り組んでいる企業に対するインセンティブ」として、ニュースなどでは、表現しているわけです。

脱炭素経営に関する一つの焦点とは

このような時代の変革期おいて、女子就活生にとっての企業選びは、どれだけ脱炭素経営に取り組んでいるかどうかについても重要なポイントです。ある企業で販売している製品について、「①製品自体の製造プロセスなどでCO2排出量が高いこと。そして、②工場内の製造設備などにおいてCO2排出量が高いこと」この2点に関する問題な状態を低炭素化していなければ、「製品があまり売れなくなってしまったり」、「たくさんの炭素税を支払わなくてはいけなくなってしまったり」する可能性があるわけです。このような可能性は、女子就活生にとって企業選びの段階で取捨選択に一つの要素として考えておくことも一つの大切な発想です。

上述に関する詳細な説明は後にして、脱炭素経営に取り組む企業の優位性についての分かりやすく記載してある書籍から、就活に定番となっている業界研究ための書籍に関する推奨本を先にご紹介します。

企業選びに役立つ書籍のご紹介

どの書籍に関しても、脱炭素経営による企業の優位性について、タイトルに取り入れていることからも分かるように脱炭素経営が、将来において企業での優位性を発揮することが分かります。

図解入門ビジネス 最新 脱炭素経営の基本と仕組みがよ~くわかる本 (How-nual図解入門ビジネス)

書評

現代において、企業にとっては、脱炭素に取り組むことが重要な経営戦略です。本書では、CO2削減目標達成とともに、取り組んでいくことになる「事業と経済性の持続」について、豊富な図解によって、基本と実践に関して分かりやすく解説している脱炭素経営の入門書です。

脱炭素経営入門 気候変動時代の競争力 (日本経済新聞出版)

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書評

日本においては、十分に普及していない気候変動に関するビジネスでのリスク・チャンスについて、その時代背景や基本的な論理を具体的な事例を交えて、丁寧に解説しています。企業での事業活動に近い位置からの解説なので、脱炭素経営の関する現実的な姿が良く理解できます。

中堅・中小企業はGXで生き残る! 利益を最大化する脱炭素経営(株式会社船井総合研究所)


書評

脱炭素経営が大手企業だけの活動のように思いがちであった時代から、中堅・中小企業が様々な取引先に対して、取り組んでいくための脱炭素経営とすることが企業の生き残りのための方法とするべき時代に変革していることに対して応えている本です。中堅・中小企業に対する脱炭素経営の必要性、取り組むメリット、具体的な取り組み方について、コンサルティング現場からの事例などを交えながら、分かりやすく解説しています。

GX時代に下剋上を起こす 下請け製造業のための脱炭素経営入門(ダイヤモンド企業情報編集社)


書評

多くの企業では、実際にGX推進にあまり本腰でない企業も多いなかで、「どれだけの企業が生き残れるのか」と提起しています。本書では、多数のマンガや図表によって、できるだけわりやすく脱炭素経営のポイントを解説しています。基本から具体的な実践活動や、GX導入のための補助金の活用法まで現実の事業活動に役立つ内容が満載です。

就職四季報 女子版(東洋経済新報社)

書評

就活での企業選びにおいて、女子就活生に定番的となる人気の書籍です。

カーボンニュートラルに向けたビジネスでの国内外の動き

世界的には、アメリカやEUで輸入・政府調達などの取引において環境基準による規制が始まっています。パリ協定以降のSBTなどのCO2排出量算定基準による低炭素化が、アメリカやEUにおける企業で実施されていくなかで、ビジネス取引の対象となる製品などについて、「CO2排出量に関する環境基準を順守していないと課税」されたり、「ビジネス取引の対象外」となったりする政策が次々と出てきています。

日本国内においては、建設や建築業・建材業などに取り組む企業において、グループ内でのCO2排出量の削減について目標達成年度に実現しなくてはいけないようにも、働きかけているケースもあります。このような取り組みの事例としては、JFEグループや、ダイワハウスグループ、富士通グループなどの多くの大手企業でCO2排出量の削減に関する宣言が出されています。企業のバリューチェーン全体でのネットゼロを実現するだけでなくて、製品における製造プロセスや、製品に使用されている原材料、製品の性能、製品の廃棄処理において、しっかりとした環境配慮がなされていることが企業競争力になる点も大切なところです。

中小規模の企業においては、脱炭素経営に取り組んでいないことにより、大手企業などから様々な取引先の企業・政府・販売店などから、製品・商品のビジネス取引において、遠ざかられてしまう可能性もあります。

EUへの輸出では、低炭素な製品が優位になっていく

EUでは、CO2排出量削減に対して規制が緩い国に対応するために輸入品に炭素税を課税する「炭素国境調整措置(国境炭素税)」の導入が2023年の4月に採択されています。現段階では、移行期間の措置として、輸入製品のCO2排出量に関する報告書の提出が義務付けられています。製造工程でCO2排出量が多くなる鉄鋼、アルミニウム、セメント、電力、肥料、水素などが対象品目となり、今後において対象品目の拡大を実施していく方針です。この制度については、2026年に本格的に導入に踏み切る計画です。

EUの環境規制では、例えば、RoHS指令があります。こちらの規制では、電気電子機器に関する特定有害物質の使用制限に関して規制しており、電気電子製品への鉛、水銀、カドミウム六価クロム、ポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の6物質の使用を原則的に禁止している制度です。

世界において、カーボンニュートラルや環境配慮に向けた環境規制とともに欧州やアメリカなどでは、さらに規制の拡大に取り組みながら、経済発展を遂げようとしています。このような世界的な動きは、日本国内でも、同様に普及してくると予測されています。

日本でもGX推進法で炭素税を計画

日本国内におけるカーボンプライシングについては、2023年5月に施行されたGX推進法の「成長志向型カーボンプライシングの導入」という主要な計画において、炭素税と炭素に対する割賦金(化石燃料賦課金)を2028年度から導入します。2033年度には、いわゆるカーボンオフセットの本格的な導入となるCO2排出権取引制度が施行される予定です。

大量のCO2排出量がある工場設備で製造に取り組む企業では、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)と、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)によって、CO2排出量などに関する報告義務があります。このなかで多くの企業がCO2排出量削減にも取り組んでいます。これらの領域や、一般の企業の領域においてもさらにCO2排出量に対する取り締まりが進展していくとみられています。

環境問題や、社会の課題に取り組む企業は、就活で人気を高めている

このような国内外の動きからも、環境に配慮する脱炭素経営に取り組んでいる企業が優位性を発揮してくることが理解できます。このような時代背景のなかで、現代人においては、SDGsや、社会貢献に対して好感度な印象を持っている社会人も多いです。このことから、就活する人においても、脱炭素経営に取り組む企業への就職活動も人気度を増しています。

2023年における就活生の約2割は、「SDGsに対する姿勢」を企業選びの軸にしているという事実がアンケート調査(※1)で分かっています。環境問題や、社会の課題に取り組んでいる企業で働く意欲についての調査では、「そう思う、ややそう思う」と答えた大学生は、男子が42.1%で、女子が51.8%となり、就職先としての人気も高いとの調査結果(※2)が出ています。

脱炭素経営は、就職活動で配慮すべき一つの重要事項に

就職活動においては、給料が高くて、長期的に努められる企業を選びたい人が多いようです。このような意味合いからしても、これからの時代において、企業にとっては、環境配慮に対する規制が厳しくなり、ビジネス取引でも取引条件として、環境基準に適合する製品であることが必要な時代です。長期的な視点から考えれば、脱炭素経営に取り組む企業が安全であるといえます。そして、製品についても、①製品における製造プロセスや、②製品に使用されている原材料、③製品の性能、④製品の廃棄処理などの角度から、優れている技術力で展開する企業こそ、環境配慮の側面における国際競争力があるといえます。このような選定基準についても大切にしながら、働きやすくて安全な職場を見つけ出すことが将来のために必要であるとも言えます。

※1 【就活解禁間近!】23卒就活生の73.1%が「SDGs」について認知、「企業選びで重視」は22卒より7.2ポイントUP 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000045863.html

※2 「若者の意識調査―ESGおよびSDGs、キャリア等に対する意識―」|株式会社日本総合研究所

https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=36941